こんにちは。今日は、ピアノのレッスンにとって欠かせない“身体の準備”、特に粗大運動についてお話ししてみたいと思います。
■ ピアノなのに「走って遊ぶ」ことが大事?
レッスンをしていると、
「椅子に座るとすぐモゾモゾしてしまう」
「姿勢が安定しなくて、手に力が入りづらい」
そんな様子を見かけることがあります。
一見、集中力ややる気の問題に見えるかもしれませんが、実はその背景にあるのは、“身体の土台”の未発達であることも多いのです。
■ 粗大運動ってなに?ピアノとどう関係があるの?
粗大運動とは、歩く・走る・跳ぶといった、身体全体を大きく動かす力のこと。
これらの動きが、体幹の安定・バランス感覚・姿勢の保持といった、ピアノを弾くときに必要な身体の働きを育ててくれます。
ピアノは指先を使う“静かな習い事”に見えるかもしれませんが、実際は「背筋を伸ばす」「足を踏ん張る」「長く座る」など、身体の協調性や安定感がしっかり求められる活動です。
■ 子どもの身体は、こうして育っていきます
身体の発達は、一足飛びには進みません。
ざっくり言うと、
首すわり → おすわり → ハイハイ → 歩く ジャンプ → ケンケン → スキップ(4〜6歳ごろ)
という順序で、少しずつ大きな動きから細かい動きへとつながっていきます。
片足立ちが安定してできるようになる頃には、ピアノの姿勢も落ち着いてくることが多いです。
■ 家庭でできる!粗大運動あそび
遊びながら“ピアノの土台づくり”ができる、おすすめの動きをご紹介します。
平均台ごっこ(体幹+バランス感覚)
床にマスキングテープで1本線を貼り、落ちないように歩きます。 →「まっすぐ歩けるかな?」「そーっと、落ちないようにね」
くま歩き(肩まわり+左右の脳の連携)
手足を交互に出して、四つん這いでゆっくり歩く動き。 →「くまさんになって、静かにお散歩してみよう」
ケンケンパー(ジャンプ力+身体コントロール)
丸い輪(フープやテープ)を並べて、片足→両足→片足…で跳びます。 →「音楽に合わせて跳んでみるのも楽しいよ!」
へびさん歩き(方向感覚+空間認知)
ジグザグの線に沿って歩くあそび。向きを変えながらバランスをとります。 →「へびさんを踏まないように…そ〜っとね」
どれも特別な道具は必要ありません。
ちょっとした声かけやイメージ遊びで、子どもたちは集中しながら体をコントロールする力を育てていきます。
■ ピアノは“手だけ”じゃなく、全身で支える楽器です
ピアノがうまく弾けないな、というとき。
それは手の技術以前に、身体の準備がまだ整っていないということもあるかもしれません。
思いきり走る、跳ぶ、転がる…そんな“よく動く子ども時代”が、
ピアノの姿勢、安定感、集中力の土台をつくっていきます。
「弾くこと」だけじゃなく、“育ちの順番”を信じて待つことも、音楽教育の一部だと思っています。
■ この夏は、“弾ける身体”を育てるチャンスに
夏休みは、いつもより少し時間に余裕のある季節。家族で一緒に体を動かしたり、外で思いきり遊ぶ機会も増えるのではないでしょうか。
ぜひこの時期を、“ピアノの前の土台づくり”に活かしてみてください。
特別なことはしなくても大丈夫。
おうちの中や近くの公園で、楽しみながら体を動かすだけでも、「弾ける身体」へのステップは、確実に進んでいきます。
親子で一緒に、「育つ時間」を感じる夏になりますように。
初回はお子様についてのカウンセリングと簡単なレッスンをさせて頂きます。目的や目標、ご要望をお聞かせください。現時点でお子様がどの発達段階にいるのかを把握し、お子様に合わせたレッスン内容を提案し、ピアノも含めご希望のゴールに到達できるようご提案させていただきます。
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